*いつか交わした約束を

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 僕が覚悟を決めて口を開くと、日織(ひおり)さんが満足したように僕の唇をパクッと(くわ)えるような、どこか可愛らしいキスを落とした。  始まりこそ何となく子供っぽくて可愛かったのだけれど――。  いつもは僕がリードしてやっとオズオズと舌を絡めていらっしゃる日織さんなのに、今日は彼女の方から積極的に舌を伸ばしていらして。 「ふ、ぁ……っ」  そのくせうっとりした様に、妙に色っぽい声を漏らすのも日織さんの方なんだ。 「しゅぅたろぉさんのお口の中、いつもより熱い、です……」  僕から唇を離して、濡れ光る唇をペロッと舌先で舐めると、日織さんがうっとりしたようにそうつぶやく。  いや、口の中が熱いのは日織さんもですよ?  そう教えて差し上げたいのに、今度は着ていたシャツのボタンに手を掛けられて。  日織さんの小さくて細い手指が、ひとつずつ丁寧に僕の着衣の前をくつろげていく。  自分で脱ぐのは平気なのに、どうして日織さんに脱がされるのはこんなに照れ臭いんだろう。 「あ、あのっ、日織っ、自分で……」  脱げますのでっ!と言おうとしたら「ダァ〜メ!」と可愛く(たしな)められてしまった。
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