危険なふたり?

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 あの電話の翌日。  市役所の屋上で、僕は日織(ひおり)さんと2人、ベンチに並んで座っている。  眼下に広がる公園はちょうど桜が満開で、天気もとてもいい。  風が吹くと、それが少し冷たく感じられるけれど、日向にいる分には寒くてたまらないと言うほどではなくて。  シースルーのふんわりした風合いのブラウスに、カーキのフレアスカートを合わせていらっしゃる日織さんは、温度調節のためかな? 上に白いカーディガンを羽織っていらして。  それでも女性は身体を冷やすべきではないという思いから、「寒くないですか?」とお聞きしたら「修太郎(しゅうたろう)さんがいらっしゃるから平気です」と照れ臭そうに微笑まれた。  それは僕が日織さんの風避けになれていると思ったんでいいですか?  それとも……一緒にいるから寒さは感じません、の方ですか?  いずれにせよ、お役に立てているなら光栄です。 ***  ブラックのトートバッグから僕用の少し大振りな弁当箱を取り出して渡してくださいながら、 「今日はだし巻き卵に青ネギを入れてみました! 自信作なのですっ!」  そう言って僕を見つめてくる。  日織さんの真剣な眼差しに見つめられながら、僕はワクワクしながら弁当箱のふたを開けた。  今日もとっても色味が鮮やかで食欲をかき立てられる。 「すごく美味しそうです」  感嘆の吐息とともにそうつぶやくと、嬉しそうにえへへ、とおっしゃって。  ご自分もトートバッグから小ぶりな弁当箱を取り出されてふたを開ける。
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