劇薬の微笑 -或る女性の証言-

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「みーちゃんの教科書を捨てるなんて愚図だね。汚らわしい。お前なんてみーちゃんの物に触れる権利すらないんだよ。」 “身の程を弁えなよ” 彼は何処か奇妙だ。知れば知る程、彼は奇妙で溢れている。その奇妙に好奇心だけで触れてはいけない。それは禁忌だ。それをすれば最期だ。その事を決して忘れてはいけない。決してだ。 「嗚呼、今日はみーちゃんに会える日だったからそろそろ支度をしなくちゃ。」 視界が閉ざされる寸前に捕らえた桂華君の美しい貌。 「治験材料になってくれてありがとう。ふふっ、これで亜柊を殺す目標へまた一歩前進できた。」 そこにはやはり………。
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