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きっと訊ねても教えてくれないと思うけれど、そもそも流星君はバイセクシュアルなのかな。それともゲイなのかな。私を抱けるって事はバイセクシュアルと云う認識で合っているのだろうか。
私は他の男の人を知らないから断言はし切れないものの、流星君はこう云う行為に慣れている感じがする。だとしたら、私以外の人間ともこう云う身体の関係があるのだろうか。
……そんなの嫌だ。絶対に私だけであって欲しい。
いるかいないかも分からない人間にまでこんなにも嫉妬心と独占欲を滾らせる私は、かなり器が小さいし成人したにも拘らず、少しも大人になり切れていない気がする。
「何考えてるのみーちゃん。」
「痛っ…。」
棘のある冷たい声が飛んで来た瞬間、流星君に囚われている指先に痛みが走った。あれやこれやと考えていた事が、痛みによって全て泡になって弾けて消える。
私の指を噛みながら口角を上昇させる流星君に、視線までも絡み取られた。
「僕と一緒にいるのに違う人間の事考えてたでしょ。」
「違…「許さないから。」」
人差し指に深く刻まれた歯形に沿って、肌が薄紫色に変化している。かなり強く噛まれたのは火を見るよりも明らかだ。
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