摂取6.5g

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「だからね、もっともっと僕を慰めて。」 “可愛いみーちゃん” 蜂蜜みたいにドロドロで甘いそれが耳元で囁かれ、私の身体の中へと挿入された彼の熱い欲望。待ちわびていた快感に、奇声にも似た声が思わず口から出そうになったが、流星君の唇に蓋をされたおかげで鼻から抜けて逃げて行った。 初めてここでこの人と身体を繋いだ時の行為とやっている事は同じなはずなのに、その日の行為は全然違った。 肌と肌が重なる度に胸が苦しくなり、虚しくなり、悲しくなった。律動が加速すればする程、快感が強くなればなる程、心が締め付けられて破裂してしまいそうだった。 「愛してるよ流星君。」 そのたった一言を口に出せないもどかしさと悔しさを堪えるように、私は彼の華奢な肩に噛み付いた。 だって私は所詮、お兄ちゃんの替わりなのだから。
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