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嫌いなわけない。嫌いなわけがないの。
流星君を嫌っていたら友達以上恋人未満みたいな関係だってとっくに解消しているし、彼にこうして自分の身体を差し出したりなんてもっとしないし、背後から抱き締められただけで胸を高鳴らせたりしない。
チュッと、自然な流れで私の首筋に落とされた口付け。きっと流星君にとってこの甘いだけの行動に何の意味もないのだろう。それでも私は一々期待しているし、このまま私を好きになってくれたりしないかななんて絵空事を描いてみたりしてしまう。
こんな私の心を流星君が覗いたら、馬鹿馬鹿しいって嗤われてしまうんだろうな。
「みーちゃんから僕の香りがする。」
彼の指の腹でなぞられた部分だけがジリジリと熱を帯びていく。いっぱい汗をかいてしまったから恥ずかしいのに、容赦なく鼻を近づけてふふっと声を漏らす彼。
「何だかみーちゃんを僕だけの物にできたみたい。」
まだお口が寂しいのか、私の鎖骨に執拗に唇を降らせた流星君に、恋心は募るばかりだ。
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