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「匂いだ。」
血が繋がっているのに、私達はれっきとした兄妹なのに、平然と禁忌を破って嗤う兄が唖然とする私の唇を舌で愛撫する。
「水都が脱いだ服は必ず嗅いでいたが、脱衣籠に入っていた新しい水都の服からあいつの匂いがした。」
衝撃的な事実をさらりと吐き捨てた兄は、小首を傾げて嗤い声を部屋に響かせた。
「だからすぐにあいつが犯人だって分かった。」
くしゃりと前髪を掻き上げて双眸で私を射抜いた兄は……。
「だから流星を殺すと決めた。」
私の着ていた服の釦に躊躇なく手を掛けた。
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