143人が本棚に入れています
本棚に追加
摂取9.0g
内腿に沿う舌が、徐々に秘部へと近づいていく。変な汗が止まらない。流星君が触れていないと頭では理解しているのに一々感じてしまう身体が心から憎かった。
下着越しに兄の指が触れ、ピクンと揺れる腰。そんな自分が醜く感じて堪らない。
「水都、俺を見ろ。」
「嫌…。」
「嫌じゃない。俺を見ろ。」
「…っっ。」
「ほら、分かるか?水都は俺でこんなに濡れてるんだ。流星じゃなく俺でこんなに蕩けているんだ。」
「やめて。」
「あんな奴なんて金輪際忘れろ。」
あんな奴なんかじゃないよ。お兄ちゃんにとって流星君は唯一無二の大切な存在じゃないの?愛してると云う感情はなくても少なくとも流星君は特別な人じゃないの?これ以上私の心が苦しくなる事言わないで。
ここにはいない流星君に平然と酷い言葉を吐き捨てる相手に腹が立つ。こんなお兄ちゃんなんかより私の方が絶対に流星君を幸せにするのに。流星君に寂しさなんて感情を抱えさせないのに。どうして流星君の愛している人はお兄ちゃんなのだろう。
「嫌だ。」
「水都。」
「嫌だ。忘れない。」
「水都、いい加減に…「ただいま。」」
もうこの身がどうなっても良いやとやけくそになって見せた反抗に案の定、兄の表情が一変してすぐだった。
「亜柊?水都?いないの?」
私の部屋まで届いたのは久し振りに聴く母親の声だった。
最初のコメントを投稿しよう!