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「しかも心優が気絶したから、キャプテンからすぐに中止命令がでてローアングルキューバンは頂点到達時点で中止。降下時の横回転せずに降りてきたところだよ」
「えー、そんな……」
「それでも、パイロットでもないのに、あのループの頂点で気を失っていないのはたいしたもんだよ」
「とっても綺麗だった。コックピットが宇宙みたいだった」
雅臣が優しく笑う声がヘルメットに聞こえてくる。
「同じものを見たんだな。俺と心優。俺が大好きなあの世界を、まさか、一緒に見てくれる女がいたなんて。こんな最高なことが他にあるか」
彼が囁いた。
愛している、心優。最高の空をありがとうな。
心優も微笑む。
わたしの大佐殿。
空を飛ぶお猿さん。
そんなあなたを、傷つけたことがあったけれど。
お許しください、大佐殿。
やっぱりあなたしか、愛せなかった。
傷つけても愛したかったの。
だから、どうしても知りたかった。あなたが手放せないほどに愛した空を。
いまは、あなたと一緒に空の上。
あなた達が見た藍の天蓋も、珊瑚礁の天蓋も。
わたしはもう知っているよ。あなたの空を!
■ お許しください、大佐殿 完 ■
【続】お許しください、大佐殿2 へ続く✈・・・
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