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眼鏡の少佐が静かに言った。
「お見事でした。さすが、園田教官のお嬢様です。納得です。そして、ご苦労様でした。本日の面接はここまでです。お疲れ様です」
え、あの……。
予習して練習してきたような質問もなく、答えることもなく。ほんの少しの会話と、いまの組み手だけで終わり?
その組み手が終わった途端、男達の空気が凍ったようになって、そして、特にそれに関しての言葉もなく『お疲れ様でした』と終わってしまった。
そして、中佐殿はもう笑っていない。むしろ、真顔で怖い。
もしかして……。やってみてくれと言われて、本気になりすぎた? 機嫌を損ねた?
「どうした。もうこれで終了だ。まだ待機している女性隊員が多数いるのでね」
あんなににこにこしていたのに。城戸中佐は、それが本来の冷徹な秘書官と言うべき姿に変貌していた。そしてそれは心優を凍らせる。
「ありがとうございました。失礼いたします」
一礼をし、退室前の敬礼も忘れずに、心優はもう少しで項垂れそうになる姿勢をなんとか正し、面接室の外へ出た。
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