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聞けば、地方駐屯地から抜擢されたのは数名で、ほとんどが現地である横須賀基地に勤める女性事務官ばかりだった。これは勝ち目がないと思った。
勝負は決まっている。横須賀基地に既に配属されている女性は、民間の企業で言えば、東京本社に配属されたエリート女性事務官と言っても良い。
地方から呼ばれた女性隊員は、単なる物珍しいなにかがあって『一応、会ってみるか』程度で呼ばれたのだろう。
――物珍しさねえ。 心優はため息をついていた。そう『格闘一家の末娘、武道教官の娘』。そんな物珍しさなのでしょう。
しかも並んで座っていると、日々、大基地で切磋琢磨されてきた女性隊員と、規模が小さい地方駐屯地でゆったり業務に勤しんでいる女性隊員は、すぐに見分けが着いた。
本社で感性が磨かれる女性と、地方支社でそれなりに過ごしている女性の差があった。
横須賀基地所属の女性達は、誰もが同じ制服を着ているというのに、気品で溢れている。きちんと整えた髪型に、清楚なメイク、品の良い立ち居振る舞い。どれも違った。本当に『中央の女』。
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