3.ドキドキです、中佐殿

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3.ドキドキです、中佐殿

 横須賀海軍、空部大隊本部 長沼准将付き隊長秘書室 に護衛兼、秘書官として配属されて一年。  城戸中佐!  城戸中佐の付き添いで一緒に歩いていると、可愛い声が彼を呼び止める。 「ああ、お久しぶり。お疲れ様」  にっこりと爽快な笑み全開で、城戸中佐が振り返る。  でも、心優は彼の背中の影で密かにため息をついていた。  わたしはお先に失礼ます――と、言いたいけれど、彼の付き添いでいるのだから彼の指示がないのに勝手に一人で帰ることは許されない。  声をかけた彼女は、とある将軍配下の事務官だった。秘書室ではなくその部署に設置されている総合管理をする事務所。彼女はよく城戸中佐に声をかけてくる。 「あら。園田さんも、お疲れ様」  城戸中佐に向けられていた眼差しが、途端にツンとしたものに変貌する。とてもわかりやすい彼女だった。 「中佐。またお時間ありますか」  彼女がにっこりと長身の中佐を下から覗き込む。とっても可愛らしい仕草だった。  そして中佐殿もまったく迷わない。 「ああ、いいよ。久しぶりだね。後でメールをしておくよ」 「楽しみです。お待ちしております」
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