3.ドキドキです、中佐殿

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 でもこんな城戸中佐の『よくできました』の優しい眼差しは、彼は他の女性には見せたことがない。たぶん、という心優だけの願望かもしれないけれど――。彼が外で彼女達に会った時、『情報をくれたご褒美』に、この眼差しを見せているのかもしれないけれど。  でも、基地では『同部署、同室にいる同メンバー』である心優だけだと確信している。 「久しぶりだな。彼女達との食事。困ったな~。俺も最近、外の店は巡っていないんだよな。変な店に連れて行ってご機嫌を損ねたくないし? これは塚田に良い店をリサーチしてもらうか」  こうして彼は他部署の彼女達から、小さなことでも良いからと『情報』を収集する。女の子達のかしましい噂話だって、中佐殿には貴重な情報源。  おいしい食事と、にっこり爽やかな元パイロットの色気と熱い眼差しを駆使して、彼女達の下心を彼は上手く操っている。  彼女達もそれは良く解っていて城戸中佐が食いついてくる情報を集めてくる。そしていつか、尽くした彼に認めてもらえたら――と思っているはず。
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