3.ドキドキです、中佐殿

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 『何故、助けてくれないのですか』――なんて、冗談でもほのめかしたら。きっと中佐は、つまんないことで妬む女性の心根よりも心優を蔑むのだろう。  俺の側にいるなら、闘える者ではないと困る。  きっと、そう思っている。  中佐殿は、そういう冷たいところがある。 『基地に慣れたか。女性ばかりだから、いままでと勝手が違うだろう』 『はい。女性って難しいですね……』 『そんなもんだろう。どこにいっても』 『そうでしょうか。ここの女性の競争心って普通ではありません』  心配してくれているのかと思って、ちょっと本音を漏らした。 『そうかな。当たり前じゃないかな。いまよりもっと良くなりたいという向上心の表れだ』  当たり前という言い方に、心優は肝を冷やした。にこにこしているくせに、目が笑っていない……。  彼女達に妬まれ、影で嫌味を浴びせられ一方的に激突されている様子を察して、心優がどうするか……。その目が心優を試していることに気がついた時、ゾッとした。
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