#01-26.あなたと一緒の未来を

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 そうして、また、飛遊我の胸のなかで収まる。――言いようのない幸せが、からだじゅうに広がっていく。……幸せ。 「もう、……離さない。伊吹……」飛遊我が、あたしを抱きしめる力を強くする。「ちゃんと、世界で認められる男になって、帰ってきたら、絶対にプロポーズするって決めてたんだ。待たせてごめん。もう、……離さないから」  ――やっぱりそういうところが、飛遊我らしいなあ。 「……笑った?」 「ううん。『らしい』なあと思って……」 「それを言うなら伊吹のほうもだよ。……なんでいきなしプレイヤーになってんの」 「続きは、……そうだな。戻って後片付けとかしてからだね」 「分かった。……待ってる」 「飛遊我のこと覚えている団員さんもいるよ」とあたしは笑った。「ちょっと、挨拶して来たら?」 「ああそうだ。伊吹」と改まった顔で飛遊我が、「今度、うちの楽団で演奏しなよ。伊吹なら、大歓迎だ」  突然の提案に、驚いた。「……リップサービス、じゃなくって?」
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