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私はダッシュで給湯室へ行き、変なヒジキを吐き出し、タッパの中身をゴミ箱に捨てた。すると、間の悪いことに総務のウメ子が見ていたのだ。
目を丸くするウメ子。
「内緒な!ウメ子。」
私はウメ子にウインクした。
「イ、イヤヤヤヤヤヤァァァァァァァ~~~~~~~!!!」
ウメ子のカナキリ声が社内に響き渡る。
「ど、どうした!ウメ子君!」
総務の田中が駆けつける。
当然、部長も駆けつける。
「こ、こ、この人が、ぶ、部長の誕生日プレゼントをゴミ箱に!!」
私は焦った。
「あ、あの、こ、これは、そ、その~」
「ひ、ひ、ひ、ヒジキを!私のヒジキを!!」
「あ、あの、こ、これは、そ、その~」
「う、馬田、てめ~!」
「部長!わたしは馬岡です!」
私はもう破れかぶれで、ごみ箱からヒジキを取り出し、ウメ子の口の中に突っ込んだ。
「ゴボボッッ!イ、イヤヤヤヤヤヤァァァァァァァ~~~~~~~!!!」
悶絶するウメ子と怒り狂う部長を尻目に、私は逃げるように帰宅した。
家に帰ると、私の愛する妻が玄関に正座して待っていた。
そして、無言で私にトウモロコシを差し出した。
どうやら、誕生日のプレゼントらしかった。
妻からのプレゼントがヒジキでは無かったことに、私は心から安堵するのであった。
~~~~~~~~おしまい~~~~~~~~
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