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「リイト、今回のおっぱいちゃんはよーかったんじゃないの~」 「顔も良し、声も良し、パーフォーマンスも良し、ただそれだけだ」  ライブハウス『セブンズロック』の帰り道、私たちはファミリーレストランに立ち寄り打ち上げをしていた。ドラムのキンヤとベースのリイトは私の向かいの席でサーロインステーキを口に頬張っているけれど、私はダイエット中の為、サラダバーで晩を済ませている。 「サブリナはどうだった? アユミちゃん眺め良かったでしょう」  キンヤに話を振られて私はレタスを刺そうとしていたフォークをガラスの小皿に立てかけるようにして置いた。  歌唱力のことを言っているのか、それとも歌いながらボヨンボヨン揺れていた胸のことなのか、このチャラ男の頭にハンマーを叩きつけたい衝動を堪えて、私は小さな溜息をついた。  この日オーディションしたアユミはキンヤのアルバイト先の子で、彼女が歌っていたバンドがメンバーの方向性の違いというありふれた理由で解散に至ったことから、キンヤが連れてきた子だった。
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