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ここ最近、笑顔を浮かべた記憶がない。久しぶり微笑んだ気がした。ユキと私の大好きな死蝶のメンバーの話。アマチュア時代は日常だった笑顔、その中にも、今は悲しさがある。あなたという友の覚悟を知っているから。
「リイトから聞いたんでしょ? 白玲、リイトのお母さんのこと?」
「うん……聞いたよ」
悲しさの中で零れる笑顔は持続しない。それを確かめてどうなるでもないのに、言葉は時に無情の方へ誘って来る。自分で尋ねたことだった。それでも返す言葉は見当たらない。
「サブリナお願い、死蝶に戻って。ユウマやタケとバンドするの嫌。ユキ、サブリナがいい、キンヤがいい」
それが出来たら、それが出来たらどんなに良いだろう。ユキのすがるような眼差しを私は直視できない。私だって悔しい。あなたをステージの一番近くで見守りたかった。もう今更なんだ。
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