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 ユウマのバンド、リセラズは死蝶とほぼ同時期にホワイトスターとメジャー契約を結んでいる。しかしリイトがラジオに出演した日、リセラズはセブンズロックで解散ライブをしていた。私たちとは言わずもがなの関係でも、否、だからこそ気にならないわけがない。 「マリリンが偶然聞いたらしいんだ。リセラズの解散についてをね」 「とても興味あるわ。ううん、最近その事ばかり考えていたの」  ユウマはセブンズロックで私に解散の理由を死蝶ほどのカリスマ性がなかったと言ったが、レーベルから声が掛かるだけあって確かな実力はあると思う。タケやハルキにだって、ライブ中、私たちに暴言を吐くぐらいな熱狂的なファンが付いているし。それって彼等に確かな魅力があるって証拠だと思う。ユウマの言葉、私には取ってつけた言い訳にしか聞こえなかった。 「ユキが関係しているらしいんだ」 「ユキ?」 「レーベルの廊下で高槻とマネージャーの保坂さんが話しているのを立ち聞いたらしい」  キンヤは詳しくは直接マリリンから訊こうと言った。どうやらこの後マリリンが来るようだ。 「と、言うことで、サブリナのマンションへ移動しましょうかしらね」 「何言ってるのよ、マリリンが此処へ来るんでしょ?」 「い〜や、いまサブリナんちに変更ってメッセージ打ったところよ」  ならこんなところに呼び出さず初めっから私のマンションに来ればよかったじゃない――その思いを口にするとキンヤは視線を蓮美の方へ向け苦笑いを浮かべた。  そういうことか。  なまじ口説けてしまったものだから移動するしかなくなったのね。あなたらしいけど、今しがた蓮美とホテルにしけこむ約束したの、この人は既に忘れてしまったのだろうか。  まあいい、バイトが終わって蓮美から連絡が来て修羅場になっても私は知らない。
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