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「とても良かったと思うわ。ハイトーンで、前のバンドでもそうとうファンが多かったそうじゃない。試しにメンバーに入れてみればよろしくてよ」 「リイトいま聞いちゃったかな~? サブリナもそう言っていることだし、ま~ずは眺め優先といきますか?」 「こないだのレオナとか言う女の時と同じ回答だな。正確にはその前とそのまた前もだ。下手したら婆さんに歌わしてもサブリナは同じことを言いだしかねない」  リイトがキンヤに視線を投げて繭尻ひとつ動かさずに言う。彼がとても真剣なのはわかるけれど、私は少し腹が立っていた。 「そんなことを言っているうちに大学生活も今年で終わりね。このまま卒業したら私たちは立派なニートよ」  少し厭味ったらしい言い方になったかしら。  でもお互い様よ。  私はリイトとわざと目を合わせないようにしてフォークを取るとサラダを口に運んだ。ファミレスから見る外の景色は寂しげで、深夜の青信号が美しかった。もっと車が走っていればいい、理由もなくそう思った。
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