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天上界
何処までも何処までも果てなく続く光の空間に、七色に輝く球体が戯れに飛び回る、ここは天上の世界。
私は背中の白い翼を小さくはためかせてフワフワと飛び回っていた。
「おかしいな、いつもはこの辺りにいるんだけど」
ラフィーのトレードマーク、セルリアンブルーの短い髪がどこかに見えないかとクルクル回転してみる。ラフィーは大概は一人で居ることが多いから、いつもすぐに見つかるんだけど…
「あっ、居たっ! ラフィー!!」
翼をバサバサと大きく動かし、ラフィーの元へすっ飛んで行った。
「あのね、ラフィー! お願いがあるの!」
ラフィーの目の前で急停止し、飛んで来た勢いのまま一気にそう言うと、彼はメタルフレームの眼鏡の奥で、その鋭い眼を一層鋭く眇めた。
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