-1 呪いの家のうわさ

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 -1 呪いの家のうわさ

 公理さんに呪いの家に誘われた。  俺はすでに不運の呪いにかかっていて、その結果現在進行形で恐ろしく運が悪い。運が悪いと言われるレベルはとうの昔に通り越し、普通に歩いているだけで物は降ってくるし車は突っ込んでくるし変な奴らに絡まれる。そういえば公理さんもその変な奴の1人だな。  公理さんは俺の知り合い史上、最もチャラい。そして正直、見た目はかなりカッコいい。  スラリと細身で背が高く、どこか憂を含んだ切れ長の目と細い眉、鼻梁は程よく高く、ひき結んだ唇。マンバンというらしいが、髪を後頭部で短く結んでる。恐ろしくモテそうだけど、意外にも女の人の影は薄い。不自由しないからわざわざ彼女を作らないの、と前に言っていた。けど、どちらかというと、あまりパーソナルスペースに人を入れたがらないタイプだからだろう。  近くによるとろくでもない酒乱でおかしな人なのがバレるから。
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