-2 大量不審死事件

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 時刻は昼時。調べものにはある程度時間がかかる。  公理さんはそろそろ起きてるかな? 寝ているのを起こすのは忍びない。これから多大なストレスを与えることになる。休息は必要だ。  LIMEにメッセージを送るとすぐに返事が返ってきた。  藤友晴希:起きてる? 11:23  公理ん:さっき起きた 調べもの中? 11:24  藤友晴希:一応終わった。昼飯外で食う? それとも何か作るか? 11:24  公理ん:1日に1回くらい外にでないと駄目な大人になりそう。そっちいく 11:27  藤友晴希:わかった。今図書館の前にいるから近くにきたら連絡して 11:28  もうすでに駄目な大人な気はする。本質的に。  図書館の外、桜の街路樹の下にあるベンチに座る。見上げると桜は2分咲きくらいだろうか? 俺の通う新谷坂高校は新谷坂山のふもとに南向きにある。高校の大きな桜は最も日が当たる位置にあるから高層ビルの陰に隠れるこのあたりの桜より芽吹くのが早いのだろう。  そよそよと心地よい春の風が吹いて髪を揺らす。緊張ばかりしていても精神がもたない。イヤフォンをかけてスマホで音楽を流す。なるべく何も考えないように。そう思ってぼんやりと目の前を通り過ぎる人波を眺めるともなく眺めていた。  突然両肩に手を置かれて顔を上げると公理さんが見下ろしていた。  少し顔色が悪い。公理さんの頭上に明るいブルーの空と白い雲が広がっていたから余計そう感じたのかもしれない。 「ハル何食べたい?」 「軽いものがいいな」 「そうだね、じゃあとっておきのカフェに行こう」  図書館から5分ほど繁華街に向かって歩いたところにあるカフェに入る。  入口に設置された黒板には『quies conclave(クゥエス コンクラーウェ)』。  大きく開け放たれた木調の入り口にウッドパネルが張られた店内。入ると右手にシックな色合いの長いカウンターが設えられ、そこで注文をする。所々にさりげなく設置されたラティスに絡まるポトス。自然を感じる都会的なカフェ。 「おすすめはパンケーキなんだけど、軽いものというとサンドイッチのセットかな」 「じゃあそれで」
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