-4 俺って役立たず感

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 -4 俺って役立たず感

 ぼんやりと、目の前で寝てるハルを観察する。ハルが寝入ってもうすぐ1時間。夢を見始めるのはもう少し先だろうけどいつ急変するかわからないし。なんだかすごく落ち着かない。扉と繋がるの、やだな。だいたい気持ち悪いものうつるから。  ハルはどんな夢を見るのかな。多分ろくでもないんだろうな。夢の中でもあの家を調べてる。あぁ〜凄い罪悪感だ、ほんっと。はぁ。  そう思いつつもハルの用意してくれたプチトマトとズッキーニのマリネをフォークで突く。酸味がいい。美味しい。……気遣いを感じる。  ハルは妙に大人びてるから同年代くらいにしか感じないけど、まだ高2なんだよな。10歳くらい下なのか。いつも無表情だけど、寝てると表情がある。普段とのギャップのせいかもだけど、随分子供っぽく見える。いやそうじゃなくて、まだ、子供なんだな。  そういえばハルと一番最初にあった時も酔っ払ってた絡んだ。あれはまだハルが小学生の頃だよな? あの時もキレられたり怖がられたりもしなくて、迷惑そうな顔をするだけで、顔は可愛いのに可愛げのない変な子供だと思った。  ……あのころから既に俺より大人っぽかった気がする。あの頃にはもう呪われてたんだよな。人生ヘルモード。  はぁ、罪悪感が酷い。しかも昼にあんな悪態をついちゃった。ほんっと、俺はダメな大人。何やってんだろ。  でもあれは……。  思い出してまた気持ち悪くなる。プチトマトをぱくり。酸味が胃に優しい。あぁ、ほんとに落ち込む。まじで。俺……1回もハルに責められてない。巻き込んだのは俺なのに。死ねよくらい言われても全然足りないのにかえって心配されてる。それなのになんで俺はハルを責めちゃったの? ほんと意味が分からない。うぅ、情けない。自己嫌悪。  辛い。もう酒飲みたい。……こういうとこがダメなんだろな。んん、でも。はぁ。  うん、でもこれはそもそも俺の問題で。ハルは全然関係なくて。本当に。だから俺がなんとかしなくちゃ、だめだよね。やっぱり。
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