俺の幼馴染み

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俺の幼馴染み

俺…田中純太(たなかじゅんた) 幼馴染…柏木圭(かしわぎけい) 俺の名前は田中純太。 俺には一人の幼馴染がいる。名前は柏木圭。 そいつは小さい頃からご近所でも有名な可愛い子で、将来はイケメンになる!とおばちゃんたちに太鼓判を押されていたし、実際に小学生の頃から周りの女の子達の視線は、こいつに釘付けだった。 色素の薄い茶色の髪、バッチリ二重の大きな目に、スッと通った鼻筋、桜色の唇を持っていれば、そんな状態は当たり前と言えば当たり前だった。 だけど、こいつはそんな視線はお構いなし。 小学校に上がったある日のこと。 「けいくん、きょうはわたしとあそぼ?」「ずるい、ゆりちゃん。けいくんはわたしとあそぶのよ。」「ふたりともなにいってるの?わたしとやくそくしてるのよ。」「ねえ、けいくん、だれとあそぶの?」 「オレはじゅんたとあそぶ。」 みんなであそぶじゃだめなのかなあと呑気に考えていた俺の腕を掴んだ圭は、ぽかんと口を開けている女子たちを置いてさっさと帰っていった。もちろん、俺を掴んだまま。幸いなことに俺は既にランドセルを背負っていたからそのまま帰っても問題はなかった。 「なー、みんなおいてきちゃってよかったの?」 「…うるさいし、はなしきかないから、いや。」 「そっか。きょうはなにしてあそぶ?」 「かばんおいたら、たここうえんであそぼう!」 「おっけー」 そんな風にして、圭はそのお綺麗な顔面を全くもって活用せずにごく普通の子供時代を過ごしていた。 けれど、少しだけごく普通でないことも出てきた。成長とともに、残念な性癖を持っていることが判明したからだ。 それは、匂いフェチだ。 ただの匂いフェチじゃない。 「あ~、純太の頭の匂いが一番いい匂い。」 「俺の匂い」フェチだ。 特につむじの匂いがいいらしい。 よくわからん。
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