俺の小説を読まないで!

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 喜びつつも、とりあえず銀行へ行って金を用意しないと大家に怒られる。  が、パソコンももう新調した方がよさそうだし、ついでに電気屋には寄ってみよう。  中古のノートなら俺にも買えるかもしれないし。  なんて思いながら自転車にまたが……え?  外に置いておいた自転車のサドルが、カリフラワーになっていた。  いやいやいやいや!  確かにそういういたずらあるって聞いたことあるよ? でもなんで? なんでサドル盗むかなあ! もしかして嫌がらせ? 犯人大家じゃね?  いやそれはないか、さすがに。サドル盗んで大家に一円でも得があるとは思えないしなあ。  つうかなんでカリフラワーだよ、これでケツが支えられると思ってんのか? いやでもブロッコリーよりまだましか、ケツが緑にならず済んだ。  じゃ、な、く、て!  昨日から思っていたけど、どうもおかしいぞ、これ。  俺はケツポッケからスマホを取り出して確認する。  俺の小説の読者が、のべ一万人を超えていた。 「そんなわけあるかー!」
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