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〜Bar Life〜
〜OPEN〜
大阪府内某所にある“Bar Life”。
ここには、日々悩める人達がマスターに愚痴を聞いてもらいにやってくる。噂によると、ここのマスターに悩みを聞いてもらった人達は、何故かその悩み事が解消されるのだという。
そういうわけで、今夜も街の人達が寝静まった頃、ある青年が一人バーにやってきた。
カラン コロン〜
店のベルがなる。
「いらっしゃいませー!!」
英国のパブをイメージさせる外観とは裏腹に、居酒屋を思い浮かばせるような元気な若い女性の声が、店内に響いた。
「白石さん、何度も言いますが、ここはバーなので、そのような大声は…。」
渋い男性の声が、青年の姿に気付いて止まった。
「アルバイトの白石が、失礼致しました。ようこそいらっしゃいませ。」
白シャツにグレーのベスト、紫のネクタイをきちっと締めた、その渋い声のマスターが青年の方に向き直って、律儀に挨拶をする。
「あ…いえいえ、とんでもないですよ。」
20代後半くらいに見えるその青年は、遠慮気味にそういった。
「はーい、どーぞどーぞ!!こちらのお席へ!!」
白石と呼ばれた女性のボーイが、カウンターテーブルの前で手を振ってアピールしながら言った。
彼女の近くで集まってお酒を飲んでいたおじさんサラリーマン達に、元気でいいねーとちゃちゃを入れられている。
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