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陽だまり
君を失ってから、木枯らしが吹き荒れる日々。
陽だまりをもとめ天を仰いでも、虚しさだけが降り注ぐ。
秋がさよならを言い、冬が雪を連れてきた朝、君は天に召された。
僕は打ちひしがれるのに耐える気力すらなく、君の亡き骸にすがるので精一杯だった。
もし神様が居るなら、あの時に戻って口づけしたなら、白雪姫のように目を覚ますなら、僕の命を君に捧げてもかまわない。
そして、僕が君の陽だまりになって見守ってあげたかった。
僕は憎い、彼女の命を奪った運命と言う名のさざ波が憎い。
まるで潮が引くように彼女を奪い去ったさざ波が。
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