67人が本棚に入れています
本棚に追加
教室や校庭、渡り廊下からの賑わしい声が、よく響いている。
その中にあっても、穂希の心は空虚と寂寞によって支配されており、ただ悶々とした日々を送ることしか出来なかった。
虚しい毎日の中で、唯一考えている事と言えば、椿があの日言い残していった言葉の意味くらいだ。
有り触れた告白と、『僕は穂希くんの努力を応援出来ない』という意味深な発言には、一体どんな思いが込められていたのだろうか。
あれこれと考えているうちに、思考は始業式の日にまで遡った。
そこから順を追って椿との日々を反芻していくと、脳内にはひとつの予想が浮かび上がった。
最初のコメントを投稿しよう!