窓際のきみ

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「大丈夫ですよ。俺、こう見えても口が固いんで!」 にっこり笑う友也に 「気持ち悪く…無いのか?」 ぽつりと聞くと、友也はきょとんとした顔をしてから 「じゃあ、熊さん。俺の事、気持ち悪い?」 って、聞いてきた。 俺が首を大きく左右に振ると 「でしょう?俺も一緒。俺の知り合いの奴に比べたら、見て妄想してる熊さんの方が可愛いって」 と答えた。 「妄想…」 そう呟いて真っ赤になると 「あぁ!ごめん。えっと、いつもうっとりした顔で見てるから、なんか妄想してるんだろうな〜って思ってたんだけど…」 頭を掻く友也に、俺はガッツリ落ち込んだ。 「お前にバレてるって事は、本人にもバレてるよな」 落ち込む俺に、友也は背中を叩いて 「大丈夫だよ!ドンマイドンマイ!」 って笑ってる。 俺、来週からどんな顔して会えば良いんだよ。 顔を両手で覆って落ち込んでいると 「でもさ…、熊さんはなんで高杉さんが良いの?」 友也はすっかり身支度を整えて、リュックを背負った。 「……綺麗、だろう?」 そう呟いた俺に、友也は『う〜ん』と言いながら 「俺はハルちゃんの方が好きかな?」 って答えた。 「ハルちゃん?」 「そう、ハルちゃん!」 笑顔で答えると、ロッカーのドアを閉めて 「って事で、じゃあお先に〜!」 っと、言いたい放題言って帰ってしまった。 俺は誰もいなくなったロッカーで、赤くなった顔を両手で隠し、必死に気持ちを鎮めていた。
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