【2000字掌編】サンタクロースは全力疾走

6/9
前へ
/9ページ
次へ
「私も啓吾くんを見習って、就職活動するよ」  別れ際にそう言って、望海は店を出た。客がいなかったせいか、啓吾がやけに長い間見送ってくれている。  そう思ったら、望海を追いかけてきて呼び止めた。 「望海さん、もしかして足が痛むの?」  歩き方が変なことに気付いたのだろう。啓吾の思いがけぬ気配りに、望海は無理して頑張った一日の疲れが癒された。  昔、二人で飲んだ蜂蜜入りホットミルクのように。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加