【2000字掌編】サンタクロースは全力疾走

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 望海の切ない胸の内も知らず、啓吾が元気よくテーブルの上へ、大きな箱を出した。 「そうだ。僕からも望海さんにプレゼントがあるんだ」  困惑した望海はクリスマスのラッピングを解いて、箱を開ける。  包んだ紙の中から、ラベンダー色のランニングシューズが姿を現した。タウンでも履けそうな人気のデザインだ。意外過ぎるプレゼントに、望海は驚いて首を振る。 「こんな高価なもの、受け取れないわ」 「決めていたんだ。バイトして初めてのプレゼントは、望海さんにあげようって。僕には母がいないから、その代わりに。もう母以上の存在だけどね」  そういえば子供の頃、そんなことを言っていたっけ。
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