【2000字掌編】サンタクロースは全力疾走

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  ◇  ◇  ◇ 「告白はクリスマスと決めていた……今が最初で最後のチャンスだと思ってる。真剣なんだ、嘘じゃないよ」  啓吾と望海の前に、2つのカップ。  どちらも、砂糖が底に残ったホットミルク。  昔から、好きなものは同じだった。お菓子も漫画も。けれど分け合うものが足りなくなって、最後に溶け切らない愛情が見えてきた。 「こちらこそ、よろしくお願いします」  望海が頭を下げ、小さく頷く。  お隣さんのサンタクロースは、満面の笑みで、望海の心を攫って行った。  <了>
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