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電話をかけてきたのは幼なじみだった。
「何?」
客の声がガヤガヤうるさい通路、俺は声を張り上げなくてはならなかった。そんな俺の大声などお構いなしに、彼女は単刀直入に切り出した。「急なことで申し訳ないんだけど、今月どこかで戻ってこれない?」
「なんで」
「今度、私たちの小学校の同期で集まるんだけど、是非あんたにも参加してほしいの──聞いた? 閉校が決まったって話」
背後の喧騒のボリュームが、少し下がったような気がした。まるで見えない大きな手がリモコンのスイッチを押したように。
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