さようなら

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記憶がフラッシュバックする。 6歳だったカトレアの両手には 母親と、父親が優しく穏やかに笑っていて。 遠くで祖父がいて手を振り、呼んでいる。 祖父の隣に立っていた 同じくらいの男の子。 彼が、そう―― 「シオンさん…」 彼の事も思い出した。 父親は再婚であり 前の女性との間にはシオンが産まれていた。 だからカトレアとシオンは 【異母兄妹】だったのだ――― 誘拐のあと 父親はシオンと家を出て行ってしまったため ずっと思い出す事がなく 接触させなかったのも記憶を戻さないようにだ。 「そんな…今になって…」 2人を失った今 ようやく思い出した過去に悲しみだけしか残らない。
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