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高齢出産とされる年齢は35歳以上。
女として生まれたからにはこんな私でも一度や二度くらい子どもを産むことを考えたことがある。
30歳を過ぎてからは仕事に忙殺され結婚相手には巡り会えなかった。いや、今思えばそれも言い訳かもしれない。仕事を理由に見ないふりをしたのは私なのだから。
35歳の時、自分の年齢が高齢出産に当てはまると知ってから、私は子どもを産むことを諦めた。いや、それもただの言い訳だ。現実から目をそらしたかったのは私自身なのだから。
産みたい、産みたくない、産めない、産まない……、様々な理由の中、年を重ねる毎に「産めない」の幅が広くなり、「産みたい」の幅が狭くなる。と同時に出産のリスクが高まっていく。
世の中には望んでいても授からない夫婦もいるというのに……。
そうして私、久保田直子は40歳になっていた。
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