第58章 引き裂かれない2人

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俺もゆっくり立ち上がり、 「じゃ。俺は帰るか。岩田は?」 と言うと、岩田は微笑んで俺を見上げて頷いた。 「私も帰ります」 「おう。じゃ、また乗せてってもらうか」 俺は岩田の肩を叩いて言うと、勝太郎たちを見て、 「じゃ、帰る。雪子とのメシは、日にちを雪子と決めてまた連絡する。ところで、双子たち、なんで平日にここにいるの?学校は?」 と訊ねると、双子のツヨシとケンは俺を見上げて、 「なんだっけ?」 「えーっと。そうりつ…」 「そうりつ…き、ねんび!!」 「それそれ!」 双子は交互にそう言って、最後には「イェーイ」とハイタッチしている。この双子は大地とも仲がいいし、大地もよくここに連れてくる。 「創立記念日か。なるほど。じゃあな」 俺と岩田が玄関に向かうと、蒲生夫妻は顔をあげて俺を見て、 「雪子さんに宜しく」 「美味しいお肉の店探しておくわね」 と2人は言って軽く頭を下げると、勝太郎は俺たちの後ろについて、 「玄関まで行く」 と言って、俺たちは玄関に向かった。 「なんか、理さんの隣に、雪子さんじゃない女の人がいるのって、違和感」 勝太郎が言うと、俺は笑って頷いた。 「これは、あくまで仕事だからな」 「だよね。浮気したら許しませんよ」 「するか!!」 俺はそう言って声をあげて笑うと、岩田はまた不思議そうに俺を見上げていた。
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