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俺もゆっくり立ち上がり、
「じゃ。俺は帰るか。岩田は?」
と言うと、岩田は微笑んで俺を見上げて頷いた。
「私も帰ります」
「おう。じゃ、また乗せてってもらうか」
俺は岩田の肩を叩いて言うと、勝太郎たちを見て、
「じゃ、帰る。雪子とのメシは、日にちを雪子と決めてまた連絡する。ところで、双子たち、なんで平日にここにいるの?学校は?」
と訊ねると、双子のツヨシとケンは俺を見上げて、
「なんだっけ?」
「えーっと。そうりつ…」
「そうりつ…き、ねんび!!」
「それそれ!」
双子は交互にそう言って、最後には「イェーイ」とハイタッチしている。この双子は大地とも仲がいいし、大地もよくここに連れてくる。
「創立記念日か。なるほど。じゃあな」
俺と岩田が玄関に向かうと、蒲生夫妻は顔をあげて俺を見て、
「雪子さんに宜しく」
「美味しいお肉の店探しておくわね」
と2人は言って軽く頭を下げると、勝太郎は俺たちの後ろについて、
「玄関まで行く」
と言って、俺たちは玄関に向かった。
「なんか、理さんの隣に、雪子さんじゃない女の人がいるのって、違和感」
勝太郎が言うと、俺は笑って頷いた。
「これは、あくまで仕事だからな」
「だよね。浮気したら許しませんよ」
「するか!!」
俺はそう言って声をあげて笑うと、岩田はまた不思議そうに俺を見上げていた。
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