第58章 引き裂かれない2人

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「どこが対等だよ。ま、お前も女なんだから、可愛がってくれるって。がんばれー」 「棒読み…。しかも、それ、セクハラ」 岩田は頬を膨らませたけど、構わずに俺は早足で警察署の中に入って行った。 やっと解放されたー!! そう思いながら階段を上がっていくと、松林が歩み寄ってきて、 「あ、お帰りなさい。坂井警部。どうでした?蒲生」 と話しかけてくると、俺はため息をついてジャケットを脱ぐと、ハンガーにかけてラックに引っ掛けた。 「蒲生の奥さん出てきて、困ったよ」 「あ、ってことは、捕まりましたねぇ。奥さんに気に入られてますからねぇ。どこがいいんだか」 「おい」 ジロッと松林を睨むと、松林は笑って頭をかいた。 「あ、仮眠室がさっき盗聴器見つかって、今、八須が確認しに行ってます。ちょっと見に行ってみてくださいよ。警部のスマホも、八須が持ってますから。早く行ったほうがいいですよ」 「え?なんで?」 「今…警部のスマホ…ロック解除されてますから♡」 松林の言葉に、俺はハッと息を飲んだ。 「やばい!見られる!覗かれる。再生される!!」 俺はダッシュして捜査一課を飛び出した。 雪子の、あーんな…いや、アーンな画像、とか! 雪子の、こーんな動画、とか!! もう、ありとあらゆる映像と画像と、雪子の盗撮モノまで!!俺のコレクションが!!←犯罪?
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