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仮眠室はもう一つ上の階だ。俺は階段を駆け上がる。仮眠室は2つあって、一つはドアが開いていて、中には誰もいない。もう一つの部屋のドアは閉まっていて、ドアノブを掴んで思い切り開けると、
「おい!ハチ!スマホ見ちゃダメ!!」
と叫ぶと、そこには雪子が来ていて、雪子と八須が並んで座って俺を見上げた。
「あ、理ぅ。お疲れ様ね」
「あ、警部ぅ。お疲れ様ネ」
「何やってんだよ、お前ら」
俺は眉をひそめて2人を交互に見ると、八須は雪子の肩を抱き寄せた。
「危ないよ、雪子ちゃん。こんな奴のそばにいたら」
「は?なにを」
雪子も不思議そうに八須を見ると、八須は俺のスマホを出して、
「雪子ちゃん、警部のスマホ、見てみない?面白いの入ってるよー」
と微笑みながら雪子に言うと、雪子は「えっ」と言ってキョトッて八須を見つめた。
「それ、何系の面白いもの?」
「おぉ。高度な質問、来たねぇ」
八須もクスクス笑っている。
「おい、ハチ」
俺は八須の肩を掴んで立ち上がらせると、
「お前は何してんのかなー?ハチ。俺のスマホ、返せっ!」
と怒鳴ってスマホを奪い返し、仮眠室から追い出してドアを閉めて鍵をかけた。
「おーい、警部!!」
ドアの外で八須が叫んでるけど、シカトした。
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