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理と仮眠室を出ようとすると、私はドアを開ける理の手をグッと掴むと、理も気が付いて振り向いて私を見降ろした。
「ん?どうした?」
「あの。…ねぇ、理。今夜は、早く帰れる?今夜、ワイン飲む約束だよ」
「うん。早く帰れる。待ってて」
「…うん。待ってるわね」
私がギュッと手を繋いで言うと、理は私の後頭部を引き寄せて、またキスをしてくれた。何度キスをしても、身も心もトロけそう。
「まだしたくなっちゃうからな。ここで、俺も我慢…!」
理は悔しそうに目をギュッとつぶって、ドアを開けて仮眠室を出ると、私の手を引いて一緒に階段を降りていった。2階の捜査一課の前で分かれようと思ったら、八須さんが誰かの腕を掴んで話していて、修羅場?と思ってしまった。そしたら、
「何やってんだ?お前ら」
と声をかけると、八須さんとその女の人は顔をあげて私たちを見て、捜査一課の入り口のドアには松林さんが立っていて、驚いて私と理を見つめていた。その女の人は八須さんと同じくらいの年齢くらいかな。パンツスーツスタイルがカッコいい女の人だ。女の刑事さん、ここにいたんだ。
「坂井警部。さっき蒲生勝太郎さんから連絡が来て、今夜、詳しいお話し出来そうって」
その女の人が理の方に歩み寄ってきて言うと、チラッと横目で私を見て、
「…あっ…!あなたが」
と驚いて改めて私をジーッと見つめた。
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