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「え?」
なんで私のこと知ってるんだろ。
私はギュッと理の手を握ると、理が私を見てニコッと微笑んだ。
「こいつとさっき蒲生さんの家に行ってたんだ。用があってね。そこでさ、勝太郎が夕べのケーブルテレビの雪子が出てた料理番組録画しててさ、観てたんだよ。ついさっきね。だから、お前のこと見て驚いてんじゃん?」
と説明してくれると、私はそんな理を見つめて、
「だから、さっき理も、ホンモノだーって言ってたのね」
と言うと、理は優しい笑顔で首を傾げている。
「言ったっけ?」
「言ってたわよ」
「そっか」
「うん」
私と理は見つめ合いながらそんな会話をしていると、私はそんな理の手を繋ぎながらその腕にしがみついた。
「こんなとこでベタベタして…」
「まったく」
八須と松林はそう言って首を横に振っている。その女の人は私が理の腕にしがみついているのを見て、眉をピクンと上げた。私はその視線に気づいて理の腕から離れようとすると、理はそんな私の腕をもう片方の腕でグッと掴んで離さないように掴むと、私はハッとしてまた理を見上げた。
理?
「岩田。こいつが俺の嫁さん。雪子。さっき、蒲生家でも、大人気だったろ?こいつ。モノホン」
理が言うと、その人は少し目を大きく見開いて私を見つめている。
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