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私が言うと、八須さんと松林さんは頷いて、
「まあ、そうだけど」
と松林さんも呟いていると、そこに陸がやって来た。
「あ、雪子来てる。帰るの?私が送ってあげる」
と陸が微笑んで言うと、みんなは振り向いて陸を見つめた。陸はニコニコ微笑んで、私の肩を抱き寄せた。
「もう帰るの?行くところもあるし、ついでに、ってことで」
「陸」
理は私を見て、チッと舌打ちして顎髭をなぞっている。
「じゃ、私は帰るわ。理。心配しないでね。それから…私、信じてるから。ね?理は。そんなに心配しないで」
「雪子」
理は私の肩をグイッと抱き寄せると、私は微笑んで理の腰に腕を回した。
「陸。頼むぞ。こいつが家に入るまで、ちゃんと見てろよ」
理は陸にむかって言うと、陸は頷いて私の手を掴んで、
「じゃ、いこっか!」
と言って私と陸は捜査一課を出ていった。理が何か、怯えているように見えるのは気のせいかな。大丈夫。心配しないで。理が、私を岩田さんに近づけないようにしてた。だから、私もあの人に警戒する。心配しないで。
「どうして陸、捜査一課に来たの?あのタイミングで」
私が言うと、陸は駐車場に向かいながら私を見てにっこり微笑んだ。
「女の勘よ!」
知らないとこで、何か、連絡網でもあるのかな。でも、私を守ってくれようとしてるのは、わかる。だから、それ以上は追及するのは、やめよう。
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