第58章 引き裂かれない2人

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でも、あの岩田さん。…なんだろう。私のことを不思議そうに見つめて、探るように全身を上から下まで、なんか、品定めでもするように見てた…。 私は陸の車の助手席に座って、窓の外を眺めながらそんなことを考えていると、 「雪子、気にしてる?岩田のこと」 と陸が訊ねて、私は我に返って陸を見た。 「なんか…私のことをジロジロ見てたような気がしただけよ。あの人、…独身?」 「結婚してる。でも、あんまり旦那さんとうまくいってないみたい。離婚は…するかどうかは私たちには分からないけど、前に4課と飲んだ時、お酒飲んでちょっと荒れてたんだよね。旦那さんと気持ちがすれ違ってて、旦那の帰りも毎日遅いって。浮気…っていうか、確実に愛人がいるって言い切ってた。確証があるのかどうかは知らないけどね」 「…みんなに拡散された画像って、その岩田さんと写ってる写真?」 「うん。見る?」 「見ない」 私は窓を開けて、風に吹かれて目を閉じた。 「雪子?」 陸は心配そうに私に言うと、私は外の少し冷たい風を受けて、目を閉じていた。 「…理を、巻き込むつもりなら、絶対許さないんだから…!」 私はそう呟いて、親指の爪をグッと噛んでいた。 なんかしたら、ボッコボコにしてやるんだから!!!
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