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でも、あの岩田さん。…なんだろう。私のことを不思議そうに見つめて、探るように全身を上から下まで、なんか、品定めでもするように見てた…。
私は陸の車の助手席に座って、窓の外を眺めながらそんなことを考えていると、
「雪子、気にしてる?岩田のこと」
と陸が訊ねて、私は我に返って陸を見た。
「なんか…私のことをジロジロ見てたような気がしただけよ。あの人、…独身?」
「結婚してる。でも、あんまり旦那さんとうまくいってないみたい。離婚は…するかどうかは私たちには分からないけど、前に4課と飲んだ時、お酒飲んでちょっと荒れてたんだよね。旦那さんと気持ちがすれ違ってて、旦那の帰りも毎日遅いって。浮気…っていうか、確実に愛人がいるって言い切ってた。確証があるのかどうかは知らないけどね」
「…みんなに拡散された画像って、その岩田さんと写ってる写真?」
「うん。見る?」
「見ない」
私は窓を開けて、風に吹かれて目を閉じた。
「雪子?」
陸は心配そうに私に言うと、私は外の少し冷たい風を受けて、目を閉じていた。
「…理を、巻き込むつもりなら、絶対許さないんだから…!」
私はそう呟いて、親指の爪をグッと噛んでいた。
なんかしたら、ボッコボコにしてやるんだから!!!
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