第1章 サヨナラから始まる5th LOVE

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下の子は、大地。春からは、幼稚園の年長組。チャイルドシートも後一年だ(早生まれだから)。大地は空手を習っていて、まだ小学校にも上がっていないから、本格的ではないけれど、楽しくやってくれているから、このまま続けていけそうだ。食べることにはそこまで興味はないようだけど、滅多に泣かない男の子になった。イタズラとかはしないし、活発ではないけど、一人で黙々と遊ぶのが好きで、姉の光莉のことが大好きだからいつも光莉と仲良く遊んでいる。 光莉と大地は、仲の良い姉弟で、2人だけで色々遊んでくれるから、今はそんなに手がかからなくなった。私としては寂しいけど、助かってもいる。とはいえ手がかかっていた小さい頃の方が、なんだかそれはそれで可愛かったのに。ほんと、なんか、……寂しい。 ** そして。 今、私たちがいるのは…、岐阜。 夫である理の実家だ。 ホントなら笑顔で始めたい今シーズンのお話は、今回はちょっと暗いお話から始まります。 私は、喪服のワンピースを着て、胸元まで伸びた髪を降ろしている。台所からお茶を入れた急須と湯飲み茶碗を5つお盆に乗せて、リビングに来た。 そこにはお義父さん、お義姉さん、理の弟の(すぐる)さんがいて、お義父さんはリクライニングチェアに。お義姉さんと卓さんはソファに座って、私がお茶を入れてみんなに配った。みんなも喪服を着ていたけど、卓さんは黒色の上着を脱いで、黒色のネクタイを外した。
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