第1章 サヨナラから始まる5th LOVE

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そうです。 今回岐阜に来たのは、理の母親である久美さんが心筋梗塞で突然亡くなった。お義姉さんと買い物に出掛けて、そこで倒れて、そのまま意識が戻ることもなく、息を引き取った。 余りにも突然で、呆気なくて、未だに誰も信じられない。まるで夢のような、嘘みたいな感覚だ。今にも、襖を開けて、いつもの明るい笑顔で、 「雪子さーん。お蕎麦食べたいわぁ」 って言って現れそうなのに。 「雪子さん、真波さんと子供たちは?」 とお義姉さんが聞いてくると、私は微笑んで顔を上げた。 「ホテルにもう戻ってると思います。子供たちは置いて来てたのに、まさか、お母さんが連れてくるとは思わなくて。すみません。せっかくのお葬式が、なんか、少し賑やかになっちゃいましたね」 「いや、いいんじゃん?お袋、ほら、しんみりしてるの好きじゃないから、明るい葬式で逆によかったよ。生き返るかと思ったくらいだよな。輪の中に入りたくて、ウズウズしてそう」 卓さんが言うと、お義父さんとお義姉さんも顔を見合わせて笑った。 「言えてる!混ぜてーって言いそう!」 私もなんだか笑ってしまった。 新年明けて、三が日も過ぎて、光莉と大地の誕生日会をやってから、突然岐阜から連絡が入ったんだ。かけて来たのは、お義姉さん。お義母さんが、亡くなりました…と。
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