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理はそう言って、お茶をゴクゴクッと音を立てて飲むと、
「おし。じゃ、俺らはホテル行くよ。明日、光莉たちと真波さん連れて、一回こっち来るよ。んで、帰るワ。レンタカーで名古屋出て、新幹線使うかな」
と言って立ち上がると、お義姉さんは理を見上げて、
「え?ホテル行くの?今更?ずっとうちに泊まってたのに」
と訊ねると、理はギロっとお義姉さんを睨みつけた。
「誰かさんのせいで、おちおち寝られなかったんだよ。さすがに、今夜は寝かせてくれよ」
「どうせしっかり寝ないくせに」
そう言って、理とお義姉さんは顔を見合わせて、睨み合ったかと思うと、ニヤリと笑い合っている。な、なんか、怖いんですけど。
「じゃ、荷物持ってくか」
「あ、そうね。待ってて。取ってくるわ。ホテル行くって思わなかったから」
私は理から離れて居間を飛び出して階段を駆け上がった。お義姉さんの言うとおり、昨夜までここに泊まってたから、今夜もここに泊まるんだと思ってた。だから、荷物をまとめていない。お母さんと子供たちは近くのホテルに泊まってるって言ってたから、そこに泊まるのかな?明日は一緒に帰るって話してたし。
喪服もあったから、2人分だけだけどスーツケースで来た。そんなに散らかしてはいないから、スーツケースの中を整理して蓋を閉じて、鍵をかけた。そしてすぐに立ち上がりスーツケースを立てて、
「よし!」
と言って部屋を出ると、理が来てスーツケースを持ってくれた。
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