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「何を、考えてる…?」
「…レオのこと」
そう言えばどこか耐えるような表情で「茶化すな」と言うレオンに卯瑠は少し笑った。
(本当のことだし)
そう思っていると押し当てられた指がその近くをくるくると、撫でまわし始めた。
「ここは触って欲しそうなのに、お前は何を考えてるんだ…ウル」
「ん、ち、ちがぅ…」
「違う?嘘をつくな。ヒクヒクしてるぞ?」
「ひぁっ」
くぷ、と指の腹が少しだけぬかるむ中に入る。
そして入り口をまた壁に沿って撫でるのだから、卯瑠のたまらない気持ちが蜜となり溢れ出す。
「ほら…ウル、もっと中も擦ってほしいだろ?」
「ぅ…うぁ…ん」
「ほしかったら何を考えてたのか、白状しろ」
言うまでここだけ弄るぞ。
耳元で深く吠えられて、ふるっと体が震えた。
卯瑠を見下ろす瞳は熱を含み、早く言えと急かす。
白状しろ、などと言うくせに手つきは優しく、まだ頭を優しく撫でる手も卯瑠のわだかまりを解かそうとしてくる。
「レオに、嫌な思いさせたくないの」
そう告げると一瞬驚いたように目を見開いた方思えば、今度は訝しげに見つめてくるレオン。
「どういうことだ?」
「そのままの意味…。今だって、レオの本心じゃないでしょ?」
(薬に侵されてるだけだもの)
そう思って告げた…の、だが。
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