48人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、そっか……」
レオンの反応に、卯瑠もまた黙ってしまった。
今まで生きていて恋人がいたこともなければ告白を受けたこともなかった。
そんな中、レオンの様なイケメンかつ優秀な人間に告白をされて、動揺しないわけがなかった。
どくどくと、2人の心音だけが少しの間響いた。
そして先に口を割ったのはレオンの方だった。
「…ウル」
「は、い…?」
「…返事は」
返事、というのは告白のだろう。とすぐに思い至った。
しかし卯瑠は少し戸惑う。
レオンのことは好きだがそれは人として好き、というのが大きく、異性として好きかと言われるとノーとは言わないがイエスとも言いにくい。
というか今までその対象には入れない様にしていたため、まだよくわからない、というのが正しいか。
「ウル…?」
返答を寄越さない卯瑠に不安を思ったのか、レオンが埋めていた顔をゆっくり話して卯瑠を覗き込んだ。
卯瑠は少し困った様に笑う。
「あのね、レオのこと、好きなんだけど…でも、その、男性として好きなのかまだわからなくて…」
ひとまずあれこれ説明してみると、レオンは少し悩んだ様を見せた後、ふっと優しく微笑んだ。
「嫌いではないんだな?」
「え?うん。好き」
人として。
とまで続けなかったものの、レオンは満足そうに微笑んで、卯瑠の唇に自分のそれを触れ合わせた。
「っれお…!」
「なら、今から意識させれば良いだけだ」
「ちょっ…急、じゃ、ないですかね?」
「俺はずっとお前が好きだった。急じゃない」
嬉しそうな笑顔で言われてしまい、卯瑠は言葉が詰まった。
最初のコメントを投稿しよう!