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「おっ!えーと、君がウル?で合ってる?」
「そうですが…どちら様でしょうか?」
気さくに笑う男は「俺、アルト・バスティーダ!レオンと同じ隊所属!よろしくな!」と簡潔に自己紹介をしてくれた。
人懐っこそうな話し方とレオンの名前に怪しい物ではなさそうだと安心して息を吐く。
隊服にも騎士特有の綺麗な刺繍が施されているので嘘ということはないだろう。
「初めまして、アルト様。ご主人様の同僚の方とは知らず、失礼致しました。」
「いーっていーって!」
初めて会ったしなー!と笑うアルト。
しかし、騎士様がこんな夜中に一体何の用か。
「アルト様、失礼ながらどういったご用件でしょうか?レオン様はまだお戻りになっていないのですが…」
「あ。そうそうそう!つーかそれが本題!!」
「え?…って、え?!」
よいしょ、とアルトが肩に引っ掛けていたものが顔を出して卯瑠は思わず声を上げて驚く。
そこにはグッタリした様子でアルトの肩に捕まるレオンの姿があったのだ。
「こ、これは一体…?!」
「あー…まあ、一服盛られてさぁ」
「……は?」
「びーやーく。警護対象の御令嬢にやられたらしいんだよね」
ここ最近なかったからちょっと油断してたみたい。と笑うアルトに卯瑠の頰は引き攣る。
(そんな笑い話ではないのでは…?!!)
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