27. エピローグ

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27. エピローグ

後日、俺は進さんと二人で会って あの日の事を詳しく聞くことになる。 「しかしめちゃめちゃキレられた~」 思い出した進さんが両手で顔を覆った。 あの日は最初からあのパーティーに 俺を連れていって 蒼佑を呼び出すつもりだったらしい。 俺が襲われたと嘘をついて蒼佑を呼び出し それで蒼佑が駆けつければ、進さんの中では 作戦は成功だったと言った。 「そうちゃんが、あそこに君を置いて 帰れるはずないって思ったんだ。その通りに なったでしょ?」 俺が誰かに襲われる、なんて話が嘘だったと 気づいても、実際あのパーティーにいる俺を 目にしたら堪えられないだろうと思ったと言う。 「そうちゃんはあそこがどんな所か よく知ってるし…」 進さんは女子のように可愛く、少しずつケーキを 食べた。 「最近は昔の安全なパーティーに戻ったけど 一時期荒れてたから…そうちゃんはそっちの イメージの方が強かったと思うよ。 何年も行ってなかったから…」 「進さんもだよね?」 「……うん。俺もね。頭では分かってても あそこに行ったら怖い事が怒りそうで… だから君のエスコートはケンちゃんに頼んだの ケンちゃんだったら何も心配ないって思って」 「まさかケンさんが俺に手を出そうとするとは 思わずにって感じ?」 「ハハ、うんそう。あれはビックリしたね そうちゃんが来たとき見つけやすい所で 二人で飲んでてってお願いしたのに……」 進さんが申し訳なさそうに肩を落とした。 「俺、本気でやられるかと思って 結構ビビりました」 俺も笑いながらケーキをつつく。 「……でも心のどこかで、あり得ないとは 思ってなかったかも」 「え?」 「けんちゃんは基本的に子どもに興味ないけど 櫂君みたいなタイプは嫌いじゃないから… 」 「……進さん…まさか俺とケンさんが 関係を持ってもいいなんて思ってた?」 俺は少し進さんが怖くなる。 「……そうだね…思ってたかも。 そうちゃんが駆けつけなかったら… 駆けつけても、ケンちゃんと一緒にいる 君を見て置いて帰るような事してたら…… その時は何があってもいいって思ってたかも」 進さんは俺を見て、やわらかく笑って ゴメンね、と言った。
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